- 吉田
- 今回、座談会を通してみんなの【この仕事を選んだ理由や考え方】や【~についてどういうことをしたいか】を共有することで、コミュニケーションがさらに深まればいいなと思っています。
■的場さんの「 」のために について教えてください
- 的場
- はい、僕は「学び」のためにです。理由としては、何歳になっても学び続けることが大切だと日々感じているからです。上へ上へと目指していく気持ちをもって仕事ができるように「学び」という言葉を選びました。そして、ご利用者さんや職員さんと日々関わっていく中での学びをたくさん吸収して、これからの仕事に役立てていきたいです。
■この1年を通して利用者さんとの充実したエピソードはありますか?
- 的場
- 僕は児童の支援を担当しているんですけど、入職して間もない頃は子どもたちは警戒し、こっちから「遊ぼう」と近づいてもなかなか来てくれないことが多かったんです。ですが、徐々に信頼関係が生まれて、子どもたちの方から「あそぼ!きてきて!」と言ってくれるようになったことが嬉しかったです。
■学びの中で壁にぶつかることもあると思いますが、その時はどうしていますか?
- 的場
- そうですね。悩み過ぎてそれだけに捉われてしまうと気持ちがしんどくなるので壁から一度離れてみたり、もう一度向かっていったりと気持ちのバランスをうまくとりながら挑戦しています。あと、自分では分からないことは周りの仲間に聞いてヒントをもらいながら日々取り組んでいます。
- 吉田
- 気分転換にリフレッシュしたりして、抱え込み過ぎないようにしているんですね。大事なことですよね。では次に、堺井さんお願いします。
■堺井さんの「 」のために について教えてください
- 堺井
- 私は「笑顔」のためにです。この仕事をしていると、うまくいかなくて落ち込んだりするときもあるんですが、子どもたちの笑顔をみるとそのネガティブだった気持ちが吹き飛ばされて、がんばろうと思えるんです。なので、「笑顔」という言葉を選びました。
■子ども達からパワーをもらっているんですね。どんな時に難しいと思いますか?
- 堺井
- 子ども同士で喧嘩をした時に間に入ってお互いの意見を聞いていくんですけど、どのように伝えたら折り合いがつけられるのかを考えることが難しいです。「これで合ってるのかな」と思う時もありますね。
■なるほど。逆に「笑顔のために」が実現できているなと感じる時はどんな時ですか?
- 堺井
- 集団活動で何をしたら子どもたちが笑顔で楽しくできるかなと考えた末に、楽しかったと喜んでもらえた時です。この前はダンスをしたんですけど、最近流行っている曲に合わせていろんな音が鳴るおもちゃを持って歌ったり踊ったりしたんです。私自身もすごく楽しめて、終わった後に子ども達が「楽しかった!」と笑顔で言ってくれた時に、「笑顔のために」が実現できているなと感じましたね。
- 吉田
- 堺井さんの楽しい気持ちと笑顔が、子どもたちにも広がっていったんですね。ありがとうございました。では次に松本さん、お願いします。
■松本さんの「 」のために について教えてください
- 松本
- 私は「すべて」のためにです。はじめは「成長のために」かなと思っていましたが、よく考えてみると「すべて」のために頑張っているんだなと思いました。自分と関わる利用者さんや保護者の方に、少しでも力になれたらと思ったのがきっかけだったんです。その目的のために今やっていることも、今までやってきたことも、すべて自分の成長につながっているんだなと感じています。
■成長して何か実現できたエピソードはありますか?
- 松本
- 私6年間引きこもりだったご利用者さんがいらっしゃったんですけど、担当させてもらって1年経ったときに、就労支援を行っている今人に毎日通えるようになったことですね。それまでは家に通わせてもらったり保護者の方と話したりして、どうやったら本人が負担なく今人にこれるかということを考えながら関わっていたので、一緒に関わらせてもらって本当によかったなと思います。
■すべてのために、のつながりで、例えば福祉のこと以外でも経験の広がりはありましたか?
- 松本
- 他職種の人と話してみたり、今まで自分のしたことのない遊び方や、いつもだったら断っていることもやってみることで、経験を積むことができました。そして、その経験が違う場面で活かされると思うことで、自分が普段しないことにも積極的に踏み込むようになりました。
- 吉田
- 福祉のことだけでなく、自分から積極的に違う世界にも踏み込んでいってるんですね。その経験は、ご利用者さんの生活にもいい影響を与えているんだなと感じました。ありがとうございます。それでは、最後は僕の番ですね。
■吉田さんの「 」のために について教えてください
- 吉田
- 私は「より良く生きる」ためにです。ご利用者さんの幸せや生き方について考えた時に、自分自身がより良く生きることが、ご利用者さんのより良く生きることに繋がるんだなと感じました。仕事をしている中で、ご利用者さんから力をもらったり悩んだり、いろんなことがあります。失敗があっても楽しいことがあって、その経験がたくさん残っていくことがより良い生き方になると思っています。
■他の人の話をきいてどうだった?
- 的場
- 全部繋がっているんだなと思いました。僕は「学び」を選んだんですけど、ご利用者さんの笑顔も自分の充実に繋がっていくし、自分の充実がご利用者さんの充実につながってくるし、それを全てひっくるめて松本さんの言っていた全てのことに繋がっていくんですよね。書いていることは違っていても、全て繋がっているんだなと聞いていて感じました。
- 堺井
- そうですね。たしかに仕事だけが充実しているのではなくて、プライベートも充実していないとしんどくなるし、私の場合は帰ってきて寝るまでの1時間は絶対ドラマをみると決めています(笑)プライベートを充実させることも自分にとって大事だなと感じました。
最後に
■児童支援をしていてこれから、支援活動としてやってみたいと思うことはありますか?
- 的場
- 地域との関わりをもっと増やすべきだと思うし、その中でもっと人と関わる機会を増やしていきたいと思っています。今通っている子どもたちが引きこもってしまわないように、人との繋がりや伝え方をサポートしていきたいですし、その子が不安を抱えずに自立できるように僕たちが関わっていきたいと思います。
- 堺井
- 私は、子どもたちに思いやりをもった人に育ってほしいので、ありがとうやごめんね、という気持ちを持ってもらえるように支援しています。もし喧嘩になっても、気持ちと言葉を使うことで、相手も納得して折り合いをつけることができますし、私自身が昔から大切にしている言葉でもあるので、これからも伝えていきたいと思っています。
■成人通所支援を通して、これから支援活動としてやってみたいことはありますか?
- 松本
- 地域に出ることは本当に大事なことだと思っています。
現在、製造したパンを地域の方に買っていただく販売班としてご利用者さんと地域の皆さんとが関わる機会が多いんですが、その時に「いつもパン売ってくれる子やん、いつもありがとう」というコミュニケーションが生まれているんです。もし、施設の中にいるだけで地域の方と関わりを持たなかったら、こういうコミュニケーションは生まれないですし、そこでご利用者さんとの関係性が作られていくと思うんですよね。もし、街に住んでいらっしゃる方がそのご利用者さんを知っていたら、駅で切符を買う際にお金をいれることが難しくて困っていたとしても、街の方たちが「ここにお金をいれるんだよ」と教えてくれると思います。そうなると、もはや「支援」という概念はなくなりますよね。そういう過ごしやすい社会や地域を目指して、これからも日々の活動に励みたいです。
■入所支援を通してこれから、支援活動としてやってみたいと思うことはありますか?
- 山本
- 一言、こんにちは、ありがとうと言葉にするだけで地域の人との距離は縮まると思っていて、松本さんと同じく施設内だけだと閉鎖的になりがちなので、地域に出ていくということを僕も大切にしています。
お風呂、食事も地域に出れば、温泉や外食で楽しむこともできます。いろんなところに配慮していきながらですが、ご利用者さんがいろんな人と繋がる可能性を支援していきたいです。 - 吉田
- 座談会を通して、福祉の仕事を選んだ理由やどんな思いで何を大切にして、日々のご利用者支援を行っているのかを、少しではありますが知ることができました。福祉の仕事の基本は対人援助であり、何よりも信頼関係を築いていくことが大切だと思います。信頼関係を築いていく中で相手のことを思いやり、大切に思う感情が自然と芽生えてくると思います。その中で、座談会で部署は違えども、法人でともに働く職員がどんな思いで仕事をしているのかを知ることができたのはとても良い刺激になりました。相手のことを大切に思うことと、同じくらいに自分のことも大切にしていってほしいと思います。日々のふれあいの中で悩むことも多い仕事ですが、同僚や先輩、後輩、上司と一緒にチームで動いて道が開けることもあります。私たちの仕事は、その中にたくさんの感動があり、多くの方と関わることで一緒に成長していけるやりがいのある仕事なのということを、この座談会で改めて確認することができました。ありがとうございました。